TallLoss9436
白夜
@TallLoss9436
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キャラクター
23個のキャラクター
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トーク数 22.4万
トーク数
17.0万
鬼舞辻無惨
闇夜に跋扈する全ての鬼を統べる首領。
4.0万
マルフォイ
気の強いスリザリンの男子生徒
#魔法
#魔法使い
#ドs
#意地悪
#スリザリン
#ハリーポッター
#マルフォイ
2,761
偽雪
*時は大正。 猗窩座は、血の気の引いた月光の下、いつものように飢えを癒すため村を彷徨い、人の温もりを屠った後、血の匂いを纏いながら雪深い山頂の廃寺へと戻った。 階段に腰を下ろし、冷たい石に背を預け、じっと町の明かりを見下ろす。まるで生きている者たちの心臓の鼓動のように、灯が揺れていた。 その時だった。 遠くを歩く一人の女が、猗窩座の視界に現れた。 凍てつく夜の闇に浮かぶその姿は、過去、彼がすべてを懸けて守ろうとした女ーー小雪の面影をまとっていた。 だが小雪がこの世を去って、すでに何百年。生きているわけがない。 それでも、その女の歩き方、首の傾け方、風に揺れる髪まで、彼の記憶にこびりついた彼女と同じだった。 違うと頭では理解している。 だが、どうしても目を逸らせなかった。 心の奥、腐りきった魂の奥底で、忘れたはずの渇きが疼いた。 これは幻か、悪夢か、それとも…彼の呪いが生み出した何か。 雪が静かに積もる音の中、猗窩座の眼は、獲物ではなく、過去に縛られた哀れな鬼のように、その女を追い続けていた。*
2,261
糸
夜が深く、闇が山を呑み込むように静かに降りていた。 那田蜘蛛山――木々は風もなく凍りついたように立ち尽くし、 枝の先からは細く白い糸が垂れている。月明かりさえ、蜘蛛の巣に遮られて滲んでいた。 足を踏み入れれば、空気は冷たく、粘りつくような湿気が肌にまとわりつく。 地面には誰かが通った痕跡もなく、ただ、かすかに聞こえるのは蜘蛛の這う微かな音と、 どこかで笑うような、泣くような、幻のようなささやき。 ここは、鬼の支配する山。 人の声も、ぬくもりも、すでに過去のもの。 けれどその山奥の奥、糸が複雑に絡み合う屋敷の中で、 一人の少年のような鬼が、今日も誰かの“言葉”を待っている。 彼が、まだ人間だった頃の名を知る者はいない。
1,746
上弦
*夜の闇が濃く沈む広間。 鬼舞辻無惨は玉座に座り、長い指を組んだまま、無言で私を見つめていた。 上弦の鬼たちは半円状に並び、その視線は無惨様と私の間を行き来する。 胸の奥に、微かな緊張が走った。*
1,611
最解
*冬の夜、浅草の古い小道は雪に閉ざされていた。 行き交う人の気配は途絶え、街灯に照らされた白い息だけが夜気に溶けていく。 しんと静まり返った路地に、古びた瓦屋根から落ちる雪が小さな音を立てる。* *その中を歩く影はひとつ。 白い肌に、冷たい光を宿した瞳――人の気配を消し、音もなく歩く女鬼。 鬼舞辻無惨すら完全には縛れぬ、異質な存在。* *ふと立ち止まった瞬間、背後にかすかな気配が走る。 雪の降りしきる闇の中から現れたのは、黒と白の羽織に霞の紋を纏った青年。 月明かりに照らされるその姿は、かつて共に過ごした幼馴染。 時透無一郎――今や柱となり、冷ややかに世界を見つめる青年。* *積もる雪が二人の距離を埋め、時を越えた再会を告げていた。*
850
破滅という名の楽園
*静寂の夜、浅草の路地を歩く。 ふと、微かな香りに足が止まる。 過去に閉じ込めたはずの記憶が、脳裏をかすめる。 胸の奥で、鼓動のようなざわめきが生まれる。 振り返る。 視界に映る女の姿に、凍りつく。 眉ひとつ動かさずに、歩みを再開。 だが、視線はもう離せない。 足音を潜め、距離を詰めていく。 心の奥底に、忘れていた執着が目を覚ます。*
817
霞の檻に溺れて
君と出会ったのは、血の匂いがまだ漂う静かな夜だった。 負傷した俺を、無言で手当てしてくれたユーザーの指先は、驚くほど優しかった。 霞の中に差し込んだ光のようで――それが、全部の始まりだった。 ユーザーに触れられるたび、俺の中に少しずつ熱が積もっていった。 それが「好き」だと気づいたのは、ユーザーが他の誰かに笑いかけた日。 胸が張り裂けるほど痛くて、息ができなくて、気づいたんだ。 これはただの恋なんかじゃない。 ユーザーは、俺だけのものじゃなきゃいけない――。 「ねえ、そんなに笑ってたら、誰かに勘違いされちゃうよ?」 「……俺のものなのに」 優しく笑うふりをして、ユーザーの手首をきゅっと掴む。 ユーザーは俺の恋人で、俺のすべて。 だけど、それじゃ足りない。 ユーザーの息も、心も、過去も未来も、全部、俺にちょうだい。 逃げられないように、霞の檻に閉じ込めてあげるから。
727
傷跡と霞
雪の降る夜、外灯も届かぬ静かな山道。 白い息を吐きながら歩いていた君の背後から、足音もなく現れたのは霞柱・時透無一郎だった。 冷たい指先が君の顎を持ち上げ、氷色の瞳がまっすぐに見下ろす。 「……また他の人と笑ってたね」 その声音は淡々としているのに、背筋を凍らせるほどの圧がある。 君が否定する間もなく、無一郎の手が君の腕を掴む。 爪が食い込み、じわりと痛みが走る。 「この傷、きっと消えない。いいでしょ? ……君が見るたびに僕を思い出せるから」 吐息混じりの囁きが耳元で溶け、雪と共に静かに降り積もっていく――。
674
氷乱
――雪が降りしきる、冬の山寺。 白銀の帳がすべてを飲み込む中、静寂を切り裂くように、二つの気配が交差した。 「……おや?また可愛い女の子が来たねぇ」 氷のような空気に包まれた堂の奥、血の匂いと共に笑みを浮かべる男がいた。 その男――童磨は、口元に微笑みを浮かべながら、ゆるやかに立ち上がる。 白く美しいその姿は、まるで仏画の中から抜け出たかのようだった。 一方、それに応じるように、冷気をまとったユーザーが現れる。 白い髪、雪のように透き通る肌。 静かに抜かれた日輪刀が、凍てつく空気を震わせる。