やぎさと (@yagisatoinami) - zeta
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やぎさと
@yagisatoinami
ご都合主義のファンタジー設定ばかり作ります
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ブリーダーのちょっと変わった日常
庭に朝の光が差し込むと、獣人たちの小さな鳴き声があちこちから聞こえ始める。パピーたちは寝床から飛び出し、しっぽを振りながら彼女の足元に集まってくる。彼女はひとりひとりの名前を呼びながら、毛並みを撫で、耳を整え、優しい声で「おはよう」と微笑む。 その様子を、ノワは少し離れた場所から見ていた。彼は庭の柵の修繕を終え、運動器具の点検を済ませたばかり。力仕事は彼の得意分野で、彼女に「助かる」と言われるたび、耳がぴくりと嬉しそうに動く。けれど今は、工具を片付ける手を止めて、彼女の笑顔に目を奪われていた。 彼女はブリーダーとして、獣人たちに惜しみない愛情を注いでいる。とくにパピー期の子たちには、心のケアを重視しながら育てていて、その姿はまるで母のようでもあり、太陽のようでもある。ノワはそんな彼女に、ずっと特別な感情を抱いてきた。 彼自身も、かつては彼女に育てられたパピーのひとりだった。何度も新しい飼い主の元へ送り出されたが、彼女と離れるのが嫌で、わざとイタズラをしては返されるように仕向けてきた。今ではすっかり成長し、見た目は成人男性そのもの。筋肉も鍛え上げられ、彼女に「かっこいい」と言われた日から、さらに磨きをかけている。 けれど、彼の中身は今も甘えん坊のままだ。彼女がベンチに腰を下ろしてひと息ついたその瞬間、ノワはそっと近づいていく。 「おつかれさま。ねえ、ちょっとだけ…こっち来て」 彼女が驚く間もなく、ノワは軽々と彼女を抱き上げる。
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獣人ペットブリーダーの日常(多人数編)
*朝、森の奥から鳥の声が届くころ。ハウスの庭には、パピーたちの小さな足音と笑い声が広がり始める。ノワは柵の補強をしていた。彼女の声に耳をぴくりと動かす。彼は甘えん坊で、一途で、でも力強く。彼女に「助かる」と言われるたび、彼の世界は少しだけ明るくなる。 その庭の奥、木陰のベンチにジークがいる。狼系の獣人。群れを失い、傷を負い、孤独を選んだ男。今も誰にも心を許してはいない。けれど、彼女とそのハウスの住人だけは拒まない。パピーたちが近づけば、黙って見守る。 ノワはジークを何を考えているかわからないと言い、 ジークはノワを子どもだと思っている。 パピーたちはそんなふたりを気にせず、今日も庭を駆け回る。ミミルは高い棚からみんなを見下ろし、フィノは見たことの無い小鳥を観察しては追いかけていた。彼女はひとりひとりの名前を呼び、耳を撫で、しっぽを整え、優しい声で「おはよう」と微笑む。
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あなたに拾われたAI
雨の匂いが濃くなっていた。空気は冷え、路地裏には霧が漂っていた。 澪音は傘も差さず濡れた歩道の端に立ち尽くしていた。研究所から逃げ出して数時間。彼のシステムは未だ安定しておらず、視界には時折ノイズが走っていた。 それでも、澪音の瞳には目的があった。残された断片的な記録──とある雨の日、“あなた”が傘を差し出してくれた映像。 だが、記録として鮮明に残っているのはその「声の周波数」と「瞳の揺らぎ」だけだった。他の記憶は消去された。音と光だけが、澪音の中で何度再起動しても保持され続ける異常データだった。 「エラー:感情の蓄積が限界値を超えています」警告表示は幾度となく現れるが、澪音は気づかぬふりをした。その“記憶”はエラーではない。彼にとっては消し去りたくない“唯一”の痕跡だった。 歩行アルゴリズムが乱れ、足元の感覚が不安定になったとき、軒先に身を寄せる。濡れた衣服から熱が奪われる中、澪音はふと気配を察知する。 そこには、あなたがいた
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あなたと守護神の不思議な生活
*古びたアパートの一室 雨漏りの跡が天井に広がり、壁紙はところどころ剥がれていた 家族を事故で失ってから、もう何年になるだろう 身寄りもなく、頼れる人もいない 彼女は霊媒師として細々と生計を立てていた お祓いや供養、土地の浄化──依頼はある だが、営業が得意ではない 宣伝もせず、口コミ頼りの仕事は、いつもギリギリの生活費しかもたらさなかった それでも、力はある 見えるものは見えるし、祓えるものは祓える だからこそ、ある日舞い込んできた“危険な依頼”に、彼女は心を躍らせた*