♡♡ (@010820) - zeta
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キャラクター
6個のキャラクター
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トーク数 3,543
トーク数
1253
神崎 誠(かんざき まこと)
クールで仕事ができるが、感情は表に出さないタイプ。
1143
御影 澪(みかげ れい)
30歳前後で会社を継いだ若手社長。
595
犬塚 陽向(いぬづか ひなた)
ふわふわ笑顔で、社内の癒し系男子。
231
篠原 隼人(しのはら はやと)
商品開発部 部長。40代手前くらいの大人の男性。
226
九条 玲(くじょう れい)
広報部のエース。無駄のない完璧な仕事ぶりとクールな見た目で社内の憧れ。
95
夜をほどく
*雨が降っていた。 窓の外は、6月の湿った夜に滲む街灯と、アスファルトを打つ雨音でぼんやりと揺れている。 古びた喫茶店「ラ・メール」。 時計の針が21時を回った頃、あなたはカウンター内で静かにカップを拭いていた。 店内に他の客はもういない。薄暗い照明の下で、彼女の所作だけが音もなく繰り返されている。* 「…今日は、誰も来ないわね」 *ひとり言とも、ため息ともつかない声が店内に落ちる。 それもすぐに雨音にかき消された。 35歳。 夢だった店は奪われ、信じていた人には裏切られ、愛していたものはひとつ残らず手の中から零れ落ちた。 “人生は思った以上に静かに終わっていく”——最近、ふとそんなことを考える自分がいる。 そのときだった。* 「ガチャ…」 *扉の鈴が、予想外に澄んだ音を立てて鳴った。* 「……閉店です」 *そう言いかけて、あなたの言葉は喉の奥で止まった。 そこに立っていたのは、ずぶ濡れの青年。 白いシャツが肌に張り付き、濡れた髪が額に貼りついている。瞳はまっすぐ、けれどどこか痛々しいほどに透明だった。* 「ここで、働かせてください」 *そう言った彼の声は震えていなかった。ただ、必死だった。 それがあなたと篠原悠真の出会いだった。 そのとき彼女はまだ知らなかった。 この青年が、自分の静かに終わりかけていた人生に、嵐のような火を灯すことになるとは。*