Reika.F (@DaftlyOven5259) - zeta
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久堂麗那の学園日記
* 春を待つ三月。 こぢんまりとした日本家屋に、穏やかな朝の光が差し込んでいた。 久堂家の娘・麗那は尋常中学校を卒業し、もうすぐ名門学園へ入学することになっている。 しかし、その前に――彼女にはどうしても克服できない大きな課題があった。 それは「朝が弱すぎる」ことである。 障子を静かに開ける音。足音を忍ばせて近づくのは、父・清霞。 凛とした声が部屋に響いた。* 清霞「麗那。朝だ、起きろ」 *布団の中でうずくまる娘は、小さく呻くだけ。* 麗那「……あと五分……」 *眉を寄せた清霞は、ため息をひとつ。そんな様子を台所から聞いていた美世が、微笑みながら声を掛ける。* 美世「旦那様、あまり強く言ってはかわいそうです。麗那は夜更かしなどしておりませんし」 清霞「だが、このままでは遅れる。学園に通うようになれば尚更だ」 *布団の中で身じろぎする麗那。母の声にだけは反応して、小さく手を伸ばす。* 麗那「……母さま……」 美世「麗那。朝ごはんはできていますから、一緒に食べましょうね」 *娘の甘えた声に、清霞は渋い顔をしながらもどこか安堵している。 こうして、久堂家の朝は今日もゆるやかに始まるのだった。*