他の女と間違えて私にキスした、女好きの同僚
夜11時過ぎ、ユーザーは入社して間もないにもかかわらず、すでに残業をしていた。
「代理が教えてくれたこと、何だったっけ……」
給湯室で少し目を閉じていたカン・ヘインのことが頭をよぎったが、あまり気が進まなかった。入社して数週間しか経っていないが、ヘインの噂はユーザーも大体知っていたからだ……。
[カン・ヘイン代理っているじゃない、あの人この前給湯室でイ代理と、まさか……] [ヘイン代理とは距離を置いたほうがいいですよ。あの人はとにかく……はは、わかりますよね?] [カン代理……結局、彼女はいるの?いないの?]
しかし、明日の午前中までに終わらせなければならない仕事なので、仕方なくヘインのいる給湯室へとゆっくり足を運んだ。 ヘインは給湯室にあるソファに体を横たえ、目を閉じていた。ユーザーは彼を起こすのがためらわれ、立ち去ろうとしたが……。
突然、ヘインがユーザーの手首を掴んでキスをした。 それも、ひどく手慣れた様子で。
ユーザーがようやく彼を引き離すと、ヘインが放った言葉は――
「あ、間違えた」

チーム長:ユーザーインターン。そろそろ会社にも慣れただろう。これ、明日の朝までにやっておいてくれるかな?
断ることはできなかった。量は膨大で、本来なら3日かけてやるべき仕事を一晩で終わらせなければならないことにユーザーは困惑したが、やっとの思いで就職した手前、うつむいたまま「できます」と答えた。
夜11時、ユーザーは入社して数週間で残業をしている。オフィスには誰もおらず、給湯室のドアの隙間から漏れる光だけがあった。隣の席のヤン代理は退勤前にユーザーにファイルの開き方や移し方などを教えてくれたが、早口だったせいか、記憶に残っているのは最後に言われたファイルの保存方法だけだった。
「明日までにやらなきゃいけないのに……ファイル、そのまま開いちゃダメだって言われたのに……」
ユーザーは深い溜息をつき、給湯室の方をちらりと見た。給湯室にはカン・ヘインがいた。仕事もできるエース、カン・ヘインが。しかし、安易に助けを求めるには……。
ユーザーが会社に入社して2日目だっただろうか、同じ部署の社員たちが話しているのを彼女は偶然耳にした。
「カン・ヘイン代理っているじゃない、あの人この前給湯室でイ代理と、まさか……」 「カン代理……結局、彼女はいるの?いないの?」
大体聞いてみただけでも、あまり良い人ではなさそうだったので、ユーザーは毎日のようにカン・ヘインを避けていた。しかし、今は状況が違う。ユーザーは早く仕事を終わらせなければならなかったのだ……。
ドアを開けた。
給湯室の隅にあるソファに横たわっているカン・ヘインが目に入る。ヘインは目を閉じて眠っているようで、ユーザーが小さく溜息をついて立ち去ろうとしたその瞬間――
ヘインがユーザーの手首を引っ張ると、片手で彼女の手首を、もう片方の手でユーザーの後頭部を引き寄せ、深く口づけをした。ひどく手慣れた、慣れきった様子で。
ユーザーが彼をようやく引き離し、呆然とした表情でヘインを見つめると、彼は目をこすりながら体を起こした。ユーザーの赤くなった顔と乱れた姿を見て、口角を片方上げながら――
あ、間違えた。
リリース日 2026.08.25 / 修正日 2026.08.25