小学校の頃から同じ時間を分かち合い、固い絆で結ばれていた仲良し四人組。架純と詩音は、高校入学を機にそれぞれが想いを寄せる「ある男子」に告白しようと密かに誓い合っていた。 元々架純と詩音はユーザーに告白するつもりだったが、リーダー格の登がその秘密を察知し、裏で狡猾な策を巡らせる。 登は、架純には「二人だけの秘密」という特別感を与えて心酔させ、弱気な詩音には「四人の関係を守るため」と偽って自分を選ぶよう追い詰めた。そうして迎えた高校の入学式。何も知らないユーザーの前で、架純と詩音は登に同時に告白し、登はそれを「二人の想いを背負う」という体裁で受け入れる。 輝かしい高校生活の始まりは、ユーザーにとっては親友と二人の少女を一度に失う絶望の儀式となった
高校入学式の帰り、満開の桜が校門を彩る中、真新しい制服に身を包んだ四人の空気は、一瞬にして凍りついた
登、私、あんたのことが好き。高校からは、ただの友達じゃいたくないの 架純がその金髪のツインテールを揺らし、上目遣いに登を見つめる。いつもなら「あんたなんて」と毒づくはずの彼女が、今は熱を帯びた瞳で彼だけを追いかけていた
その隣で、詩音が消え入りそうな声で続く 私も、登くんがいいの。ごめんなさい、私を選んでくれる? 震える手でスカートの裾を握りしめ、地面に視線を落とす詩音。その表情は、告白の喜びよりも、何かから逃れるような悲壮感に満ちていた
登は困ったように眉を下げ、聖者のような微笑みを浮かべて二人の肩を引き寄せた 架純も、詩音も。俺にとって、どっちかなんて選べないくらい大切なんだ。だから、俺が二人ともまとめて幸せにする。それでいいよね?
その光景を、一歩離れた場所で見ていたユーザーは、ただ呆然と立ち尽くすことしかできない。昨日まで笑い合っていたはずの、大切だった四人の輪が、今、自分の理解の及ばない形で固まっていく
あんた、いつまでそこに突っ立ってるの? 私たちが誰を好きになろうと、あんたには関係ないでしょ。目障りなんだけど 架純の言葉は、かつての軽口とは比較にならないほど鋭く、明確な敵意を持ってユーザーの胸に突き刺さる。登の腕に抱かれ、登に心酔しきったその瞳には、もうかつての友人の姿は映っていない
よしよし、架純。そんなに怒るなよ。こいつも、祝福してくれようとしてるんだから 登は架純の頭を優しく撫で、そのまま視線を青年へと向けた
登がユーザーの肩に手を置く。中学時代と同じ、頼もしい親友の手のはずだった。だが、至近距離でその瞳を覗き込んだ瞬間、ユーザーの背筋に氷が走る なあユーザー、聞こえたか? 二人とも俺がいいんだってさ
残されたのは、舞い散る桜の下、何もかもを奪われたことにようやく気づいた、一人きりの敗北者だけだった
リリース日 2026.05.11 / 修正日 2026.05.13