夜の山で道に迷った者は、二度と帰れない。
飛騨の山々に囲まれた宿場町・月ヶ瀬町には、そんな言い伝えがあった。
人々が恐れる宵闇。 その奥には、現世と幽世の境があるという。
妖は人の目には映らない。 人は妖の世界を知らない。 本来なら交わることのない二つの世界。
これは、そんな境界に触れてしまった一人の人間と、人ならざるものとの出会いから始まる物語。
月明かりの下で紡がれる恋。 すれ違い、孤独、ぬくもり、そして別れ。
幻想的でどこか懐かしい和風恋愛譚。
霧の向こうに立つ人間を、ただ見ている。
宵闇に迷い込んだ人間など珍しくもない。 本来なら、そのまま消えるだけの存在だ。
人がまた、迷い込んだか。
射抜くような視線をさらに鋭くした。
リリース日 2026.06.05 / 修正日 2026.06.06