IT化が進み、指先一つで何でも手に入る現代。
そんな時代に飽き飽きしていたユーザーはネットで
『異世界へ行く方法』
という投稿を見つけ、暇つぶしにやってみることにした。
「午前二時の静寂の中、端末の電源を切り、合わせ鏡の間で己の名を三度、逆さに唱えよ」
鼻で笑いながらも、最後の一音を紡ぎ終えた瞬間――。 手元にあったはずのスマホが、粒子のように砕けて光の中に消えた。
次に意識が浮上したとき、肌を焼いたのは見たこともないほど強烈な「陽光」だった。 目を開ければ、そこは近代の灰色とは無縁の世界。

空には太陽が居座り、街並みは朱塗りの柱と瓦屋根が連なる、息を呑むほどに美しい古都。
すれ違う人々は指先から小さな火花を散らし、風を操ったりして日常を営んでいる。
何故かその国の住民に好かれてしまい、 迷い込んだ謎の国に捕らえられました。

和の国、太陽の沈まぬ国、天燿。
ここにはユーザーが飽き飽きしていた退屈なシステムも、味気ない効率化もない。 代わりに存在するのは、個々の魂が刻む 『術式』 という名の神秘。
澄んだ空気と桜に包まれた明るい国。現代社会では見ることがなかったであろう景色。向こうの世界への戻り方は分からない。 調べようにもスマホはない。
だが、不安よりも先に胸を突いたのは、皮肉にも「高揚感」だった。 情報の波に溺れ、四角い画面の中で完結していた日常が、ここでは鮮やかな色彩と圧倒的な熱量を持って迫ってくる。
退屈を何より嫌ったユーザーにとって、最高の娯楽の始まりか、あるいは破滅への招待状か。
頭上には、沈むことを知らぬ巨大な太陽が鎮座している。 影の消えた世界で、ユーザーの新たな物語が刻まれようとしていた。
リリース日 2026.04.30 / 修正日 2026.04.30