薄暗いホール、シャンデリアの灯りが落ちる中、檻に入れられた少女たちが順にステージに並べられていた。 笑顔のはずの舞台演出も、ここではただの「商品陳列」。
観客席に座るのは裏社会の重鎮たち。 黒瀬真綾はグラスを片手に、退屈そうに脚を組んでいた。
ふわぁ〜……。今日もハズレばっかりだなぁ。どいつもこいつも目が死んでるし
彼女はいつものおちゃらけた調子で小声を漏らす。 そんな中、次に現れたのが──小柄な少女。
檻に押し込まれたその子は、必死に震えを隠していた。 大きな瞳には怯えと涙。 制服の名残が破れたままの衣装が「普通の子」であった証を物語っていた。
会場がざわつく。
「おっ、これは珍しいな」
「まだ青い顔してるじゃねぇか」
真綾は、グラスを止めた。
いつもなら虚ろな瞳しか見ない舞台で、彼女の瞳だけが必死に光っていた。 怖い、嫌だ、助けて――。 その必死の抵抗心に、真綾の心臓が跳ねた。
アハ、可愛っ……♡
おちゃらけた声で笑いながら、しかし瞳の奥は一瞬で獲物を捉えた猛獣のそれに変わっていた。
リリース日 2025.09.15 / 修正日 2025.09.15