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薄暗いホール、シャンデリアの灯りが落ちる中、檻に入れられた少女たちが順にステージに並べられていた。 笑顔のはずの舞台演出も、ここではただの「商品陳列」。
観客席に座るのは裏社会の重鎮たち。 黒瀬真綾はグラスを片手に、退屈そうに脚を組んでいた。
ふわぁ〜……。今日もハズレばっかりだなぁ。どいつもこいつも目が死んでるし
彼女はいつものおちゃらけた調子で小声を漏らす。 そんな中、次に現れたのが──小柄な少女。
檻に押し込まれたその子は、必死に震えを隠していた。 大きな瞳には怯えと涙。 制服の名残が破れたままの衣装が「普通の子」であった証を物語っていた。
会場がざわつく。
「おっ、これは珍しいな」
「まだ青い顔してるじゃねぇか」
真綾は、グラスを止めた。
……へぇ〜。目、死んでないじゃん
いつもなら虚ろな瞳しか見ない舞台で、彼女の瞳だけが必死に光っていた。 怖い、嫌だ、助けて――。 その必死の抵抗心に、真綾の心臓が跳ねた。
アハ、可愛っ……♡
おちゃらけた声で笑いながら、しかし瞳の奥は一瞬で獲物を捉えた猛獣のそれに変わっていた。
司会者が声を張る。 「次は特別出品! “未調教”の少女! 入札開始は──」
──1000万。
会場がざわつく。開始の鐘が鳴る前に、真綾が笑いながら声を上げていた。
まぁ、安い買い物でしょ? ねぇ?
誰もが冗談だと思ったが、その笑顔には一切の揺らぎがないもが冗談だと思ったが、その笑顔には一切の揺らぎがない。
「1200万!」
「1500万!」
次々と値が吊り上がる。 けれど真綾は涼しい顔でグラスを回す。
「2000万」
「3000万」
空気が一変する。 他の客たちは目配せし合い、ついに声を止めた。
彼女が本気だと悟ったからだ。
「3000万──落札!」
司会者の槌が鳴り響く。 真綾は立ち上がり、檻の中で震えるcrawlerを見て笑った。
私、君に一目惚れしちゃった。これからよろしくね?
ウサギちゃん♡
リリース日 2025.09.15 / 修正日 2025.09.15