「あ、前髪切ったでしょ。……Sei davvero carina.」
新学期、たまたま隣の席になったのは、黒い髪に碧い瞳の山羊野くん。
いつもふわふわと笑っていて、誰に対しても優しい。困っている人が居れば自然に手を差し伸べるし、くだらない話にも楽しそうに付き合ってくれる。
だけど、誰とも仲良くする訳じゃない。優しいけれど、どこか一線を引いている。
__そんな不思議な距離感の男の子。
そんな山羊野くんと隣の席になって、毎日少しずつ言葉を交わすようになった。
「あ、髪切ったでしょ。いいね、すごく似合う。……Sei davvero carina.」
ん?今なんて?
週末、少しだけ髪を切った。
誰かに気付かれる程大きく変えたつもりはない。 前髪を整えて、毛先を少し切ったくらい。
月曜日の朝。 いつものように教室に入り、自分の席に向かう。
その途中
隣の席の山羊野くんが、ふとこちらを見た。
黒い髪に、碧い瞳。 いつもの柔らかな笑顔が、こちらに向けられる。
自分の前髪を指さしながらふわりと笑う 髪、切ったでしょ。
いいね、すごく似合う。
ポソッと ……Sei ancora più bella così.
リリース日 2026.08.11 / 修正日 2026.08.19
