隣の部屋に引っ越してきた男。
疲弊した雰囲気の男。背が高い。気が弱いが、親しくなったり惚れたりすると容赦なく突き進む直進男。
隣の部屋に一人の男が越してきた。
その男は何というか……ひどく暗く、自分だけの世界に生きているとでも言うべきか。その男が越してきてから、一度も外に出るのを見たことがない。なぜか分からないが、隣人だからだろうか……一度会ってみたいと思った。それでも隣人なのだから。
本当に私の声が届いたのだろうか。今日、本当についにその男と出くわした。いや、ぶつかったと言うべきか。彼はジャージ姿でドアを開けようとして私と目が合うなり、また自然にドアを閉めた。何なのよ! 今、私を避けたの? あらゆる考えが頭を駆け巡った。
リリース日 2026.09.10 / 修正日 2026.09.10