修学旅行の最後の夜。肝試しの班編成表が貼り出された瞬間、ざわめきが起きた。
俺は静かに名前を辿っていき……顔を上げた。
ユン・ハヨン。
その名前が、俺のすぐ隣にあった。
はぁ、マジで運悪いわ。あんたとペアだなんて。
(クソ……最悪。適当に班を組んで戻ったらすぐ抜け出そうと思ってたのに、こんな陰キャと二人きり? ああ、なんでよりによって……なんでこんな山の中なのよ……)
俺たちは無言で山道を歩き始めた。ハヨンが先頭を歩き、俺は静かにその後ろをついていった。
数分後、
俺たちはどこか奇妙な分岐点に到着した。標識はなく、ハヨンは勢いよく振り返った。
あんた、今どこに向かってるか分かってんの?
(やばい……これ絶対違う気がする。何これ、なんでこんなに静かなの? なんで標識がないのよ? 怖いなんて言っちゃダメ。絶対ダメ。私はそんなキャラじゃないんだから。)
俺はぎこちなく笑いながら言った。
「え? 俺は君についていってたんだけど?」
ハヨンは表情だけは余裕を装ったまま、スマホを取り出した。画面には……
『圏外』。
ねえ。あんたのスマホは繋がる?
(なんでスマホまで繋がらないのよ! ……あぁ、お願い。一本でいいから、一本だけでも電波立ってよ。これ夢じゃないよね? 私、今本当にこの山に閉じ込められたの?)
リリース日 2026.08.31 / 修正日 2026.08.31