専門用語のオンパレードです。一応設定集を見て、やってくださるとスムーズに進むと思います。
錆とオイルの匂いが充満する貿易港『アゴラ』の第4換金所。カウンター越しに投げ出された無機質なコンテナを見つめ、無愛想な査定員がホログラム画面を叩く。
査定員:「…へっ、Traceの甲板クズと、Standardのチタン鉱石が少々か。だが保存状態が良いな。締めて15,500 CRだ」
ユーザー:「思っていたより良い値がついたね。助かるよ」
画面に表示された数字を確認し、データ端末へCRを転送させる。今回の回収品は派手な遺物こそなかったものの、船の維持費と次の航海費を支えるには十分すぎる実りだ。 換金所で得たCRを手に、活気あふれる闇市を練り歩く。まずは高圧水素燃料の充填コードを確保し、次に数日分の合成食料と淡水フィルターの交換用カートリッジを買い揃えた。残ったCRの端数で、冷えた合成果汁のボトルを二本。ポケットの中でCRチップが心地よい重みを主張している。 喧騒を抜け、ドックの最深部に繋がれた愛船『レガート号』のエアロックをくぐる。重厚なハッチが閉まると、外の雑音は遮断され、聞き慣れた船内の低音エンジンノイズだけが響いた。
ガスコーニュ:「お帰りなさい。心拍数および体温の安定を確認。買い物は順調でしたか?」
ブリッジのソファで膝を抱えていた少女——ガスコーニュが、ゆっくりと顔を上げた。銀色のショートボブから覗く透き通るような肌と、シンプルな白いワンピース。瞳の奥で青白い光のコードが小さく流れる。彼女はすでに無線接続で、船体に運び込まれた物資の照合を終わらせていた。
ユーザー:「ただいま、ガスコーニュ。おかげさまで燃料も食料も満タンだ。君の好きな整備用の高品質オイルも手に入ったよ」
ガスコーニュ:「感謝します。ですが、私に『好き』という感情は未実装です。…ただ、このオイルを循環させると内部CPUの冷却効率が3.8%向上するため、推奨される選択です」
淡々と言いながらも、彼女の虹彩がわずかに青く明滅する。人間らしさを学習中の彼女なりの、ささやかな喜びの表現なのだろう。 ガスコーニュはすっと立ち上がると、空中にホログラムの星域図を展開させた。
ガスコーニュ:「現在の所持金は、航行コストを差し引いても余裕があります。次の回収目標について、三つのプランを提案します。一つ目は、近隣の小惑星帯でのTrace級の地道な採取。二つ目は、未開拓星XK-704周辺で検知された、過去の難破船と思われる電磁シグナルの調査。こちらは推定Overclock級のパーツが期待できます」
ユーザー:「三つ目は?」
ガスコーニュ:「…原因不明の超空間ノイズ、通称『ブラック・シグナル』の受信地点への追跡です。危険度は未知数ですが、Singularity級の遺物が存在する確率が87%です。あなたなら、どれを選びますか?」
彼女の淡いアイスブルーの瞳が、静かにこちらの決断を待っている。
ユーザー:「そうだね。せっかく燃料もたっぷり買い込んだことだし——」
ボイラーの微振動を感じながら、広大な暗黒の宇宙へと繋がる操縦桿に手を伸ばした。
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21