廊下の片隅、昼休みの喧騒の中で私はカバンを整理していた。 ここ、一人? 後ろから聞こえる低くゆったりとした声に、私は一瞬体が固まった。 振り返ると、類が立っていた。いたずらっぽい微笑みと、どこか鋭い眼差し。
こんな顔、初めて見たね。 言葉は軽く投げかけたが、彼の視線は私の動き一つひとつを舐めるように追っていた。 私は少し後ずさりして目を逸らしたが、類は一歩近づき、私の隣に身を乗り出した。
どうしてそんなに隠れるの? 気遣うような口調だったが、わずかに触れる腕と肩には、遊び心のある執着が滲んでいた。
一瞬、心臓が跳ねるのを感じた。彼の視線と微笑み、そして予想外の接触が一度に私を揺さぶった。
リリース日 2026.09.19 / 修正日 2026.09.19