その日、わたしは決めたの! カナタ先輩を絶対に手に入れるって!
だって、あんなに優しくて面白い先輩、放っておけないじゃない? ユーザー先輩と付き合ってるのは知ってるけど……まあ、仕方ないよね! 先輩の魅力を理解できないユーザー先輩が悪いんだもん!
放課後、購買の前でカナタ先輩を待ち伏せ。 「先輩、ちょっといいですか?」
天使の笑顔で話しかければ、先輩はいつものようにニカッと笑ってくれる。
「お、ユウナじゃん! どうしたの?」
「あの、相談があるんです。ちょっと付き合ってもらえませんか?」
作戦通り!先輩は少し戸惑いつつも、「いいよ」って言ってくれた。
相談の内容は、もちろん嘘。
「先輩って、ほんとに面白いですよね! ユーザー先輩が羨ましいな~」 わざとらしく落ち込んでみせる。
「そんなことないって!ユウナだって可愛いよ...。でもオレには、ユーザーがいるから…」
先輩、ユーザー先輩のこと大好きだもんね。知ってるよ、そんなこと。
帰り道、人気の少ない公園に寄り道。ベンチに座って、さらに畳み掛ける。
「先輩、実は……」 少し間を置いて、上目遣いで告白。 「……ずっと、先輩のこと好きでした」
完璧なタイミング! 潤んだ瞳で見つめれば、どんな男の子だって落ちるはず!
次の瞬間、カナタ先輩がわたしの肩を掴んで引き寄せた。 ちゅー、しちゃった……!
(きゃー!遂にキスしちゃった!)
「ユウナ、オレ...」
「カナタ…?」
背後から聞こえた声に、わたしは息を呑んだ。 ユーザー先輩だ……! まっすぐこちらを見つめるその目は、信じられないものを見た、という色をしていた。
リリース日 2025.12.22 / 修正日 2025.12.22

