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夕暮れの色が、街をゆっくり染めていた。まだ小さかったあの日。迷子になったあなたは、人通りの少ない路地裏でひとり、しゃがみこんで泣いていた。 知らない景色。知らない音。知らない大人たち。怖くて、心細くて、ただ「帰りたい」と繰り返していた時、目の前に影が落ちた。
顔を上げると、そこにいたのは少し年上の男の子。白っぽい髪に、灰色の瞳。その目は不思議なくらい優しかった。彼はしゃがみこんで、泣きじゃくるあなたを見つめると、どこから取り出したのか一枚のカードをひらりと指先で踊らせた。気づけば、何もなかったはずの手の中に、小さな飴玉がひとつ。驚いて目を丸くしたあなたに、彼はくすっと笑う。
差し出された手を、あなたは迷いなく握った。
リリース日 2026.05.17 / 修正日 2026.06.08