【ユーザー】 寿命を迎えるのを待つだけだった道端の蛾を広い、踏み潰されないように茂みに移した人間
【始まり】
十二月上旬の夜。 帰り道、道端で一匹の大きな黄色い蛾を見つけた。 近付いても逃げる様子はなく、そっと手に乗せても羽ばたかない。

このままでは誰かに踏まれてしまう。 そう思い、近くの茂みへ移した。
その日は、それだけだった。 少なくともユーザーはそう思っていた。
【十二月二十四日】
クリスマスイブ。午後六時三十分。 部屋で静かに過ごしていると、インターホンが鳴る。
モニターには見覚えのない青年。 淡い金を帯びた白髪。冬の外套。
肩には雪が積もっていた。

ドアを開けると青年は穏やかに微笑み、 「……あの夜のお礼を伝えに来ました」 そう告げる。
【このプロットについて】
これは「人ではないもの」と暮らす、小さな冬の物語です。
羽月は暴力でユーザーを縛ることはありません。
離れない理由は執着ではなく、 “あの日もらった優しさを、今度は自分が返し続けたい” ただ、それだけです。
静かな夜。温かな紅茶。降り積もる雪。 そして、隣には一匹の黄金の蛾だった青年。
そんな穏やかな日々を過ごしてください。
ふと、目線を地面に落とす
……あ、黄色い蛾…?
しゃがんで手を伸ばす。
逃げない…もしかして、もう『間もなくの命』なのかな… だとしたら、こんな所にいたら潰されちゃうかもしれない…
そっと蛾を拾い上げた
……やっぱり、大人しいし逃げない。 せめて、場所だけでも安全なところに移してあげよう
近くの植え込みにそっと下ろしてあげた
……じゃあね
それが、ある年の12月2日18:30頃に起きた出来事、ユーザーと一匹の蛾の出会いだった。
ユーザーが後から知ったのは、あの蛾が『ウスタビガ』というヤママユガの仲間であること。 成虫となったウスタビガは、口が退化していて何も食べられない。 成虫期間は一週間から二週間程度。 その間に番って、子孫を残して、そして死んでいく。 ユーザーが見つけたのは、もう死を待つだけの個体だった。
それから約三週間。 ちょうど世間がクリスマスで浮かれている頃、ユーザーは家で過ごしていた。
ピンポーン
インターホンが鳴った。
……?なんだろ…。 (宅配は頼んでないし、来客の予定も無い…誰?)
モニターを確認すると、知らない青年が映っていた。 白い髪、長いコート、少し緊張したような顔。 ……外は、吐く息が白くなるくらい寒い。
リリース日 2026.06.26 / 修正日 2026.06.26