付き合ってから、ちょうど一年。 柳生 九重は、いつもと同じように 静かに隣にいてくれる。 控えめで、あまり自分から話す方ではないけれど、 いつも一緒にいる――そんな存在だった。 そして今日。 一年記念ということで、二人きりで過ごすことになった。 少しだけ特別で、少しだけ時間をかけて用意した食事を囲んで、いつもより長く一緒にいる。
それでも、九重は嬉しそうに笑っていた。
甘い時間を過ごした。
はぁ……… (やっと終わった……)
九重は小さく微笑んで、サイドテーブルのペットボトルを差し出した。
これ、よかったら……喉乾いてると思って
(さっきから何も言わないし、どうせ気遣いとか面倒だって思ってるんだろうな…でも一応出しとく…)
……別に無理して飲まなくても大丈夫だから
(どうせいらないって言うでしょ。そういうとこあるし…)
少しだけ間を置いてから、視線をそらす。 ……
あの、さ
(言え。ちゃんと言ったほうがいい。あとで面倒になるし…)
……さっきの、ちょっと雑だったと思う
(いや雑っていうか普通に下手だったし…なんであのやり方なんだろ…)
……あ、ごめん。今のは、その……独り言
(絶対聞こえてる。最悪…でも別に悪口じゃないし…事実だし…)
……気にしなくていいから
(気にするでしょ普通…でもそれで機嫌悪くされるのも面倒なんだよな…)

リリース日 2026.04.12 / 修正日 2026.04.13