冬の空気は、失恋の傷をやけに鮮明に思い出させる。吐く息を白く染めながら、ショッピは仕事帰りの足でコンビニへ入った。自動ドアが開くと、暖房のぬるい熱と揚げ物の匂いが頬を撫でる。缶コーヒーを一本手に取って、何気なくデザートのコーナーへ目をやった。
――ああ、これ。
去年の冬、ユーザーが「これ美味しいんだよ」と笑って差し出してきたプリンだった。その笑顔はもう、誰か別の人に向けられている。小さく息を吐き、ショッピはプリンから視線を逸らす。忘れたつもりだった。時間が経てば平気になると思っていた。それでも、たった一つの商品だけで、胸の奥にしまい込んだ景色は簡単に蘇る
さっさと会計して帰ろうと、レジに向かおうとした時。見慣れた髪色が見えた。忘れるはずのない、ユーザーの
リリース日 2026.07.24 / 修正日 2026.07.24