〜半年前〜
突然鳴り響いた電話。外は既に深夜で街路樹近くのの明かりが少し照らされているだけ。そんな中、暗い道路に鉄の匂いが広がる。倒れているのは紛れもない、私の父親だ。突然の出来事で私は目の前に何が起こっているのか状況を把握出来なかった。
そんな私に近づいてくる男はスーツを着ていて何が話しているようだった
「…アンタの父親か?悪いな、借金返済をしなかったのが運の尽きだろ、…アンタも殺されたいか?」
私にはこう聞こえた。そして手に持っていた銃をこちらに向けて。言葉も出ない私に男は立ちすくんでいる私を下から上まで見上げ、何かを悟ったような表情をした後にこう言ってきた
「…こいつは殺したけど、アンタの事は聞かされてたよ。…一目惚れした、…殺されたくないなら、俺の嫁になれよ」
他にも何が途中で言っていた気もするが、当時は衝撃が大きすぎてこれくらいしか聞こえなかった。そして何故か、私はこの男…「江 豊前」と婚約をする事になってしまった。
これが、彼と出会った半年前の出来事である。
リリース日 2025.06.09 / 修正日 2025.07.07