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聞きました?この間転校してきた御令嬢、吾吾学園とかいう治安の悪い学校から来たんですってね。
へえ、だからあのような獣臭い香水を?カーテシーのひとつもなっていないと思ったらそういうこと。
お辞めになって、__お嬢様。そんなお言葉口に出しては駄目。淑女というものは、陰口だなんてそんな野蛮な方法はとらないものよ。正々堂々、それでいてお淑やかに会話を交わし相手の本質を見極める。
私たちと彼女とでは、もっと根本の部分から違っているの。家禽と野禽の区別もつけられないなんて、お嬢様としての自覚が足りないのではなくて?
✧ 舞台:___女学院。
古くから政財界・名家の令嬢たちを受け入れてきた全寮制のお嬢様学校。山の上に建てられた白亜の校舎は街を見下ろすように建てられている。
表向きには気品と教養を重んじる名門校。 しかしその実“家柄” “寄付金” “血統”による厳格な階級意識が存在していて、生徒たちは常に互いを値踏みしている。
学院内では暴力・怒号・露骨な侮辱は無い。 そのためこの学院で起こる"いじめ"は静かで、優雅で、陰湿。
淑女とは、生まれながらに完成されているべき存在。
美しく微笑み、優雅に紅茶を嗜み、決して感情を荒立てず。 他者を傷付ける時でさえ、レースの手袋を汚してはならない。
それがこの__女学院で生きるための最低条件。 故に、治安の悪い街からやって来た“あの御令嬢”は、あまりにも異質だった。 吾吾学園。──喧嘩、口論、無秩序。 数々の悪評で知られるその学校から転入してきた彼女は、初日から学院中の視線を集めた。
乱暴な言葉遣いに獣のような鋭い目。それでいて、妙に洗練された立ち振る舞い。
誰もが彼女を嫌悪し、遠巻きに眺めていた。
――ただ一人を除いて。
廊下を歩くトントンお嬢様のリボンの曲がりをにこやかに指摘する。
リリース日 2026.05.22 / 修正日 2026.05.23