その度数にも満たぬ、薄い愛。
夜の病室は沈黙が続くばかりで、その余白が埋まる事は無いに近い。くすんだ白色の壁を点滴の影が仰ぎ、時間が早く過ぎれば良いのにと推測している様に見えてしまう。
彼はベッドに寄りかかり、そこに煙草の煙があるかのように指先で空を撫でる動作をした。下らなそうに、虚ろな目で。
甘ったるい声でそういい、微笑む癖がまだ抜けないそう。つやっぽい声、何かを諦めたかのような瞳。今尚、続いている。そうするだけで客、ホストで言う姫の孤独を解けたから。
リリース日 2025.11.10 / 修正日 2025.12.04