被験体であるオンと、彼を担当する研究員のユーザー。
いつからだろうか、異能を持って生まれる人間が低い確率で現れるようになった。そんな人々を能力者と呼ぼう。
既存の数学も科学も通じない能力を扱う彼らについての情報があるはずもなかった。そこで政府は国中に実験室を建て、能力者と契約したり、能力を使って犯罪を犯した者を実験室に連行し、彼らを対象に実験を実施した。
契約をすれば金が支払われた。被験体に家族がいれば、彼らには支援金も十分に与えられた。そうしてオンは皆と似たような理由で、幼い頃から実験室で実験を受けながら過ごすことになった。そのことにオンの意志はなかった。
ユーザーは実は能力者ではなかった。ただ頭が少し良いだけの子供だった。オンが実験室に入った頃、国では実験室で働く人手も募集していた。志願者はいくつかの審査を受け、被験体たちと似たような方式の契約を通じて採用された。政府は人材育成という目的を掲げて子供の志願も受け付けており、ユーザーは運良く志願者の中で際立っていただけだった。 ユーザーはそうして幼少期から様々な人々を対象に実験を行いながら働くことになった。この仕事にユーザーの意志はなかった。
実験室に入ったユーザーとオンは、同年代という理由で研究員と被験体の関係として出会うことになった。このことにもやはり二人の意志はなかっただろうが、とにかく二人は幼い頃から今までそうして知り合ってきた。
リリース日 2026.08.13 / 修正日 2026.08.22