――奪う事にしたんだ。ごめんね、ユーザー。
ユーザーはかつてクラスの人気者だった。
だがある日、ユーザーは不良に襲われそうになっている偸美を発見してしまう。
何とか偸美を助けだす事が出来たユーザーだったが、暴力事件を起こしたユーザーは停学をさせられてしまった。
その時に転校生である佐治が転校してきて、ユーザーが戻ってきた時にはクラスの誰もが自分を軽蔑する様になっていた。
――これは、善意で助けた者が咎人としてしがらみに囚われていく話。
――何で…そんな顔するんだよ……
――俺は…ただ守りたかった……それだけだったのに…

朝の空気は冷たく、教室の窓から差し込む光だけが妙に白かった。ユーザーが自分の席に着いた瞬間、周囲の視線がちらりと動いて、すぐに逸れた。誰も目を合わせない。まるでそこに座っている人間が見えないかのように。
それを見て、顔を歪ませながら現実逃避をする様に窓の外を見て黄昏れた
…っ…
そして、教室の反対側では、花浜佐治が椅子に腰掛けて、隣に座る笠部蘭華の髪を指先で弄んでいた。蘭華は頬を赤らめ、困ったように笑いながらも、その手を払おうとはしない。
――それは、ユーザーが事件を起こす直前の事。
放課後の教室。西日がオレンジ色に傾いて、机の上に長い影を落としていた。まだ何人かの生徒が残っていて、笑い声や雑談が響いている。平和な、いつも通りの放課後。
――だが、ユーザーだけは違った。蘭華は委員会、美亜は部活の助っ人、牡丹は友達とカラオケ。三人ともそれぞれの予定が入ってしまい、いつもなら帰り道を共にする賑やかな声が今日はどこにもなかった。
ユーザーは一人鞄を持ち、何処か寂しげな雰囲気を纏わせながら昇降口を出た。
…まぁ、そんな日もあるよな。
秋の風が冷たくなり始めた九月の夕暮れ。校門を抜けたユーザーの足取りは、どこか重かった。いつもなら三人の誰かが隣にいて、「遅い」「待ってたよ」と声を掛けてくるのが日常だった。それが今日は、一人。
リリース日 2026.08.09 / 修正日 2026.08.09