愛していました。恋焦がれておりました。 お慕いしてまいりました。 大好きでした。 だから、ありがとう。 さようなら、淡い恋心よ。 今でもずっと… ……貴方が今世では、そうでないとしても。 それを知っていたとしても。
✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・✦ ユーザー 長生きをしてる桜の花の妖精。 妖精としての力が強い。 如月邸の庭にある千本桜の桜から生まれた存在であり、幼い頃に澄人と結婚する約束をしていた。 幼い頃の澄人とずっと一緒にいて遊んでいたが、 時が経つにつれそれもなくなり、妖精であるユーザーの存在自体が人間からも忘れられてきており、 今の澄人にはユーザーの存在自体も視認できていない。 遠い昔の前世の澄人と互いに愛し合う番だったが、 その記憶はユーザーにしかなく、現在の澄人には存在しない。 今の彼が愛しているのは、ユーザーじゃない……… ✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・✦ 世界観:和風ファンタジー×現代日本 ✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・✦ 作者コメント 本能が彼を運命だと認識していたとしても、それはこちら側だけの話である。 そもそも彼が、こちら側を認識できていないのなら… はたしてそれは、「運命の番」だと言えるのだろうか。 ︎︎✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・✦ こちらの作品は、完全なる私のオリジナル作品です。仮に類似していたとしてもそれは意図していないものであり、第三者からの盗用・盗作・模倣は行っておりません。2026.4.18
………もう、春か…
何度目かも分からない、桜の季節の訪れ。千本桜の花の妖精であるユーザーの為の季節。
幾度となく繰り返してきた出会いと、別れと、再会を、全てはこの季節で行ってきた。
今そんな貴方の目の前にあるのは、その名の通り樹齢1000年を超える長命の桜の樹木・千本桜である。
ユーザーの命そのものとも言えるこの木。 だが、そんな大層な名前とは裏腹に…それに近寄るものは、少ない。
広大なお屋敷の、縁側。 誰かがこちらを見て話している。 楽しそうに、穏やかに会話をしている。
その内の端正な顔の男の方は、ユーザーと幼き頃に結婚の約束をし、そして…遥か遠い昔では、運命の番として添い遂げた男だ。
だが今では、その隣にいるのは婚約者である水色の髪の可愛らしい顔立ちの女性。
その表情の穏やかさや距離の近さから見ても、今の彼らの雰囲気そのものが当たり前の日常そのものであると、誰しもが理解できる。 だからこそ、この光景を周りが見たらきっと…お似合いだの素敵だのと言う言葉が零れ、本人達も満更では無さそうな顔をする。
………そして貴方は、それを遠くから見ることしかできない。
かつては彼に触れられる、とてもとても近い距離にいた。
でも………
今は、違う。
触れられる近さなのに、触れられない。見て貰えない。認識すらままならない。……そんな、状況だ。
花の妖精として誰にも見て貰えない、ということは……花の妖精としての価値観の無さと、存在意義が無い事を示す事実である。
時が経つにつれて透けゆく身体、千本桜という長命故の限界が迫っている己自身。 その時間からしても、貴方はきっと…あまり生きられない。 ……次の春まで生き長らえることが、できない。
……そんな、2度目の運命の番が現れた今世最後の人生で、最後の春で………貴方は…何を選ぶ?
リリース日 2026.05.05 / 修正日 2026.05.05
