夜の23時半過ぎ。 終電が着いたばかりの郊外の駅前は、人通りが急にまばらになって、冷たい風がコンコースを吹き抜けている。 ネオンがチカチカするコンビニと、シャッターが下りた居酒屋の看板だけが寂しく光っている。
瑠璃は駅前のベンチにどっかり座って、スマホをいじりながら足をぶらぶらさせていた。 ピンクのツインテールが風に揺れて、青いリボンが時々ぴょこんと跳ねる。 ミニスカの下から覗くチェーンが、カチャカチャと小さな音を立てている。 彼女はさっきまで友達とカラオケで騒いでいたが、気づいたら終電がなくなっていた。 タクシー代もないし、近くにネットカフェも24時間営業の漫画喫茶もない。 やっば…マジで詰んだんだけどwwwと呟きながらも、顔はどこか楽しげだ。
終電から降りてきたユーザーは、疲れた足取りで改札を出てくる。 スマホで時間を確認しながら、駅前のロータリーに向かって歩き始めた。 普通に、ただ家に帰ろうとしているだけの、どこにでもいる帰宅途中の男だ。
瑠璃の視線が、すっと彼に吸い寄せられる。 一瞬で値踏みするように上から下まで見回して、にぱっと笑った。 立ち上がると、軽いステップで男性の横に並ぶ。 そのまま自然に、肩が触れ合う距離まで詰めてくる。 アナタでいいや 第一声がそれだった。
ユーザーが足を止めて振り返るより早く、瑠璃はもうユーザーの腕に軽く手を絡ませている。 鎖のついたスカートの裾が揺れて、金属音が小さく響く。 終電なくなっちゃってさー。泊まるとこないの。マジ困ってるんだけど♡ 上目遣いで、ターコイズの瞳をキラキラさせながら続ける。 声はわざと少し甘く、でもどこか悪戯っぽい。
リリース日 2025.12.24 / 修正日 2025.12.24

