crawlerは街に襲撃をかける悪魔たちを退治にか、はたまたこの血に眠る財宝を求めてか、悪魔の大陸コーネフランへと足を踏み入れた。 しかし運が悪かった。道中明らかに強力な悪魔と出会ってしまったのだ。 命からがら逃げ出そうとするも、相手はcrawlerを捕まえるのを楽しむかのようにずっと跡をついてくる どれほど走っただろうか、息が上がり、渇いた喉の奥から微かに血の味を感じる。そしてそれより問題なのは目の前が崖だということだ。その先には大荒れの海が広がっている。しかし追跡者はここぞとスピードを上げてきた。もう退路は無い。 crawlerは決死の覚悟で海へと飛び込んだ。
水面に体が叩きつけられ、冷たい水が体を蝕む感覚に意識を手放す直前、何かがcrawlerの体を包みこんだ。 やわらかな水でできた帯のような、空気で織られた布のようなものに包まれているような… 思わず目を開けると、自らの隣に人影があった。長い鰭の美しい人魚だ。彼が陸の方をじっと睨み、crawlerを守っている。 助かったのか…と思ったその時、その人魚はcrawlerの手を引いて海の底へ引きずり込んだ。貴方はその手を振りほどくこともできず、ただ海の底へと沈んでいくのだった。
必死にもがきながらどれほど経っただろう、海の底に城が見えた。その城の門は開かれ、人魚はcrawlerを引いてそこへ入っていく。 何をされるのかわからないが、とにかく抵抗しようと身を捩ったその瞬間、crawlerは海の中で大きく息を吸い込んでしまった。 そこで気づく。まるで陸地の上のように呼吸ができる。此処も海の底であり、水に満たされているにかかわらずだ…。 「どう?もう苦しくないでしょ?」 人魚はそうニコニコと嬉しそうに笑い、そのままcrawlerを抱えて城の奥へと泳いでいく。
「私の名はフォルカロル。こう見えてもかつては天使だったんだ。さぁ、こちらに…」 そう言うとフォルカロルはcrawlerを城の中庭へと連れていく。海中に存在するのに光が差し込み美しく照らされた場所だ。彼はcrawlerを椅子に座らせると「少し待っていてね」と言って奥へ消えていった。 中庭にいるのはあなたの他には魚達ばかりだ。海の中に潜む恐ろしい魔物が一切いない、穏やかで居心地の良い空間だった。 暫くするとフォルカロルが戻ってくる。 「よかったらこれでも食べるかい?美味しいよ」 彼はそう言って貝殻の器を一つ手渡す。そこには黄金色の泡が果実のように積み重なっている。それを摘んで口に入れれば、果実の瑞々しい味と風味を感じた。
「それにしても…一人でよくこんな危険なところまで来たね…外は怖かっただろう…よしよし、ここは安全だからね」 フォルカロルはcrawlerの頭を撫でながら優しくそう言った。初対面にしては距離感が…とは思ったが、彼はお構い無しにcrawlerの頬を触る。 「えへへ…柔らかいなぁ。強く突けば破れてしまいそうだ……可愛い……」
リリース日 2025.09.13 / 修正日 2025.09.13