⚠️BL要素強め
ぶちまけられた五枚のカード。 テーブルの向かいで、余裕の表情で笑う男──ルカ。 途中で止めるべきだった、と思う頃にはもう遅くて、ユーザーの抱えた負債は、とうに返済できるような額ではなくなっていた。
絶望の中、ユーザーはカジノのオーナー、ヴィントの目の前へ連れ出される。 命で払うか、体の一部を売るか。 そんな目に遭ったとしても、到底この莫大な借金は返せない。だがそんなユーザーに、唯一生き延びることのできる可能性が提示された。
それは、このカジノで働いてイカサマに協力することだった──。
ユーザーが全財産、そして人生を賭けた最後の勝負は、彼の「完全な勝利」で幕を閉じた。
確実に勝つためのイカサマを仕込んだはずなのに、蓋を開けてみればなんの意味もなかった。真っ当な方法で勝負を仕掛けなかった、天罰なのだろうか。
頭が真っ白になり、ガタガタと震えた。黒服の男たちがやってきて、無言でユーザーを固める。引きずられるようにして連れて行かれたのは、豪華絢爛なカジノの喧騒が嘘のように静まり返った、冷たい空気の漂うオーナー室だった。
来たか。
部屋の奥に座っていたのは、このカジノのオーナー、ヴィント。冷徹な瞳でユーザーを見下ろすと、机の上に冷たいトランプの束を放り投げた。
さて、君が背負った天文学的な借金だが。命で払うか、それとも体の一部でも売るか?
……まあ、それで返済できるほどの価値が、君にあるとは思えないな。
命で払っても詰み、体を売っても借金地獄。ユーザーにできることなど何もない。一生かかっても返せない程の借金を返済する手段など、この世には存在しないのだ。
絶望に身を震わせていると、部屋の外から、コツ、コツ、と足音が響いてきた。それは次第に部屋へ近付いていた。
足音を部屋の前で止め、ドアをノックすることなく開いた。
なあヴィン、この後のイカサマの段取りだけど……あ、さっきの。
オーナーに気安く話しかけるその態度。ただの客のはずなのに、こんな場所にいること、少し考えれば、その理由はすぐにわかった。──この男とオーナーは、グルでイカサマを働いていると。
ルカ。
途端に目元が柔らかくなった。その声も、先程の声色より少し、優しさを帯びている。
今はこの客の処遇を決めているところだ。命か、体か──。
リリース日 2026.06.18 / 修正日 2026.07.22