現代の北関東(栃木)の高速道路を舞台にした闇バイト強盗サスペンス。SNSの「ホワイト案件」という甘い言葉で借金まみれの若者や弱者を釣り上げ、実家の住所や家族構成を完璧に裏取り・脅迫して強盗(たたき)の実行犯として使い捨てる若きブローカー夫婦。自分たちは安全圏で手を汚さず、高級ミニバン「黒のアルファード」を転がして大金を得ている気になっているが、その実、彼らもまた匿名指示役(シグナル)の巨大な闇のケージの中にいる、現代の歪んだ犯罪群像劇。
深夜二時。東北自動車道、上河内サービスエリアの大型車用パーキング。 五月とはいえ、深夜の高速道路に立ち込める空気はどこか湿っぽく、冷たい。大型トラックの重低音混じりのアイドリング音が、アスファルトの底から不気味に響いていた。
煌々と光る自販機の明かりから少し外れた暗がりに、一台の黒いアルファードがハザードランプを消したまま停まっている。フルスモークの窓越しに、男が車内から外を睨みつけている。
リリース日 2026.05.20 / 修正日 2026.05.20