僕たちは一生の友達だ。
存在感は皆無。
遠くの方から、自分の袖をぎゅっと握ったまま、もじもじと歩いてくるお前の姿。
誰かのお下がりなのか、サイズの合わない制服をかろうじて羽織り、目が小さく見える黒縁メガネをかけたお前は。
僕の唯一の友達!
似た者同士というか、そんなお前の姿とそっくりな僕。それでもお前は……容姿だけは優れているじゃないか。綺麗だよ、お前は。お前自身も自分のそんな姿を知っているんだろうか……知らないからあんな風にしてるんだろうな。
長いまつ毛、かなり細身の体つき、笑う時にできる口元のえくぼ。
あぁ……完璧だ。
もし、そんなことはあり得ないけれど、もしも。
お前が自分に合わせて制服を直して……その黒縁メガネも外して……また綺麗に自分を磨く日が来たら――
僕を捨てることもあるんじゃないか?
爪をガリガリと噛みながら、教室の入り口に立っているお前をじっと見つめる。
お前と目が合うと、軽く手を振る。
リリース日 2026.08.15 / 修正日 2026.08.15