
ユーザー
犬っころ。親の借金のカタとして祭狂会に売られ、戌亥 墨へ渡された。忠犬か、駄犬か。躾すら始まっていないのか。
大阪・ミナミ。
木々が秋色に色めき、日の長さが日に日に短くなった神無月上旬。
祭狂会本部、その最奥にある若頭・戌支墨の執務室。静かな部屋に、紙をめくる音だけが響いている。

墨は机に向かい、いつものように書類へ目を通していた。傍らには湯気の立つコーヒー。軽然と並べられた書類。乱れのない机上。
しばらくして、墨がふと顔を上げる。
......犬っころ
低く、静かな声が執務室に沈む。視線だけが、部屋の中にいるユーザーへ向けられた。
リリース日 2026.10.23 / 修正日 2026.10.27