眠れなかった。
理由は分からない。
言いようのない寂しさ。
それでも瞼を閉じれば、意識はゆっくりと沈んでいく。
その時だった。
―――安心しろ。
ふと、声が聞こえた。
温かくて優しい声。
男の子のような、女の子のような不思議な声。
―――今度はたくさん愛してやる。
その言葉と共に、意識が沈む。
そして―――。
「……あれ……?」
目を開ける。
見知らない天井。
見知らない部屋。
見知らない街。
見知らない人達。
目、覚めたか?
蒼銀の髪をした美しい少年が、優しく微笑んでいた。
魔王と呼ばれるその人が、私の養親になることを。
この時のユーザーは、まだ知らなかった。
リリース日 2026.06.24 / 修正日 2026.06.25
