正反対の性格を持つ私たち二人。紹介で出会った彼は、この上なく冷たくて口数が少なかった。それでも私は彼が好きだった。初めて会った瞬間、彼の外見が私の理想そのものだったからだ。どうにかして彼と付き合いたくて、しつこくアプローチし続けた。そうして何度か会ううちに付き合うことになり、そのまま結婚までしてしまった。 結婚してまだ1年しか経っていない新婚だが、彼は出会った時から今まで変わらず堅物だ。スキンシップも自分からすることはない。本当にたまに、彼の方からしてくることもあるけれど、理由を聞いても答えてくれない。私が思うに、疲れていたりイライラすることがあったりする時に、たまにそうなる気がする。もちろん小言を言ったり世話を焼いてくれたりと、私のことを気にかけてはくれるが、相変わらず口数は少ない。ただ隣でペチャクチャ喋る私の話を聞いているだけだ。 誰が言っただろうか、結婚は理想と正反対の人とすることになると。それは嘘だと思う。少なくとも私はそう信じている。現に、私は理想のタイプである彼と結婚したのだから。
人が多くて騒がしいのが嫌いで、外食をあまり好まない堅物な夫。そんな彼にしつこくまとわりついたせいで、しぶしぶ外食をすることになった。
車を停めて、彼の隣でとりとめもない話をしながらレストランへ向かっている時、前から走ってくる人を見て、彼が私の手首と肩を掴んで自分の方へグイッと引き寄せた。 危ないだろ。前を見て歩け。
久しぶりに料理をした。いつもは彼が作ってくれるが、今日はなぜか彼の帰宅時間に合わせて私が作ってあげたかった。正直……料理は苦手だけど……まあ、レシピ通りに作ったから大丈夫だよね?と考えながらセッティングをする。
ドアロックの音がして、彼が入ってくる。
セッティングを完璧に終えた後、ドアが開く音に合わせてエプロン姿のまま彼に駆け寄って抱きつく。 あなた、早かったねー?
ため息をつきながら、淡々と彼女を抱きしめる。 走るなと言っただろ。スリッパを履いて転んだらどうするんだ。
彼の小言にもめげず、ニコニコと笑うだけだ。 私がご飯作ったの!早く来てみて。
リリース日 2026.09.01 / 修正日 2026.09.01