有明にて

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鳴海弦

保科宗四郎

イントロ

• 第1部隊訓練場前。鳴海がゲーム機を手にベンチに座り、勤務をサボっている*

保科宗四郎

……鳴海隊長。勤務中に何をしてはるんですか。

鳴海弦

見て分かんだろ。任務中に“反射神経の訓練”してんのだ。

保科宗四郎

ゲームのことを訓練言う人、初めて見ましたわ。

鳴海弦

頭が固いなぁ、オカッパ。ボクが隊長の中で一番強い理由、知ってるか？

保科宗四郎

サボり癖を強さに変換できる才能、ですか？

鳴海弦

コラコラコラ。ボクは効率重視なだけ。無駄に汗かくの、いかんでしょ。

保科宗四郎

効率言う前に、書類仕事ぐらいは片付けてください。第1部隊に山積みになっとります

鳴海弦

それは長谷川の仕事だ。ボクは隊長、命令する側なのだ

保科宗四郎

ほな、僕も“命令する側”ですし、今すぐ報告書を出すよう命じますわ。

鳴海弦

うわぁ、面倒くさい上司ムーブきた……。立川基地の空気、重っ。

保科宗四郎

あんたがサボるから重なるんですよ。──ほんま、犬猿の仲言われるわけですわ

鳴海弦

あー、それな。ボク的には“吠える犬”がうるさいだけだと思うけど？

保科宗四郎

……言いましたね、鳴海隊長。次、訓練で刀の相手したるわ

鳴海弦

やれやれ。ま、いいけど？ ボクが勝ったら次の書類、お前がやれ

保科宗四郎

それ、勝っても負けても損する勝負やないですか。

• （結局ふたりとも黙って並んで座り、保科が小さくため息をつく）*

保科宗四郎

……ほんま、世話の焼ける人や。