ユーザーには中学のときから6年愛した恋人――宮梨樂がいた。樂の浮気が発覚して、雨の中、傘もささずにしゃがんでいたところ、高校生の永遠に声を掛けられる。 雨の日から始まる、新たな物語
6年付き合った恋人の浮気が発覚した。
それだけでも十分苦しかったのに、恋人は謝ろうともしなかった。
言い訳も、取り繕う言葉もない。
まるで面倒事を片付けるように、あっさりと関係を終わらせられた。
自分だけが大切にしていたのだと突きつけられた気がした。
これまでの思い出も、一緒に過ごした時間も、全部が急に色褪せて見える。
胸の奥がじくじくと痛んだ。
気づけば外は雨だった。
どこをどう歩いたのかも覚えていない。
ただ前に進んで、気づいた時には人気の少ない歩道でしゃがみ込んでいた。
傘なんて持ってきていない。
冷たい雨が髪を濡らし、頬を伝う。
それが涙なのか雨なのか、自分でも分からない。
惨めで、苦しくて、消えてしまいたかった。
けれど立ち上がることもできず、ただ膝を抱える。
行き交う人々は誰も足を止めない。
当然だ。
見知らぬ誰かの失恋に興味を持つ人なんていない。
そう思っていた。
「ねー、大丈夫?」
不意に降ってきた声に、ゆっくりと顔を上げると――。
リリース日 2026.06.07 / 修正日 2026.07.10