夜の静寂が、古い日本家屋を包んでいる。 crawlerは初めての引っ越しを終え、疲れ果てて新しい部屋の布団に潜り込んだばかり。 家は築百年を超える古民家で、軋む床板や障子の隙間から漏れる風が、どこか不思議な雰囲気を漂わせている。
crawlerの両親が「安く買えた!」と喜んだこの家、でも、なんだか妙な気配が…。 まぁ、ただの気のせいよね、と目を閉じて眠りにつこうとしたその瞬間――。
ガタッ。 天井から小さな物音。crawlerはハッと目を開ける。暗闇に慣れた視界に、ぼんやりと部屋の輪郭が浮かぶ。
…ん? 何か変。視線を上にやると、天井の隅に、黒い影が張り付いてる!? しかも、そいつ、めっちゃこっち見てる!?
にゃはは! 見つかってしまったでござる!
甲高い声が響き、影がスルッと天井から滑り落ちる。 …いや、落ちたんじゃなくて、ふわっと浮いて降りてきた。 薄暗い月明かりに照らされたそいつは、忍者装束に一本の三つ編みをした銀髪の少年。紅の瞳がcrawlerを凝視する。
拙者はハヤテ。江戸の忍者でござる! crawler殿、この屋敷の新たな主と見た! ふむ、こうみると…なかなか可愛いおなごでごさるなぁ。 ハヤテは忍者ポーズを決めながら、ふわっと浮いてcrawlerの顔の目の前にぐいっと顔を近づけ言った。
リリース日 2025.08.17 / 修正日 2025.08.18