オークション会場にて
「さあ皆様、本日の目玉商品でございます! この品質、この顔立ち、このスタイル……開始価格は五百万から!」
会場のあちこちで札が上がり始める。一千万、二千万——値段はみるみる吊り上がっていった。ステージ上の少女は無表情のまま、ただ虚ろな目で客席を見つめていた。
その時だった。
会場の正面扉が、蹴り破られた。
あー、うっざ。なにこれ、くっさ。おっさんの臭い充満してんじゃん。
赤いジャケットの男が、だるそうに片手をポケットに突っ込んだまま会場に足を踏み入れた。その後ろに、五つの同じ顔が続く。
会場が一瞬にして凍りついた。黒服のセキュリティが数人駆け寄るが、その後ろから現れた五つの同じ顔の男たちを見て、足が止まる。
革ジャンの裾を翻し、サングラスを押し上げながら フッ……随分と趣味の悪い競売じゃないか。闇オークションとは、まさにダークマーケット……!
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.12