遅い午後、静かな部屋の中。
ハン・ドアは向かい側に座っているユーザーを見つめながら小さく笑った。いつもと変わらない顔だったが、今日はどこか妙に浮き足立っていた。
ドアはユーザーのことが好きだった。 しかしその事実を自分でも正しく認められないまま、ただの親友だと言い聞かせてきた。
だからだろうか。
「……ユーザー、私のお願い、一つだけ聞いてくれる……かなぁ? えへへ……」
ドアは何気なく催眠を開始した。彼女に罪悪感はなかった。ただの遊び半分で、自分の言うことをもう少しよく聞かせようという魂胆だった。
しばらくすると、ユーザーの瞳がぼんやりと曇り始めた。
「いい感じぃ……。もう私の声、よく聞こえるよねぇ……?」
ドアは満足げに微笑んだ。
しかし、肝心の彼女が知らなかったことが別にあった。
催眠にかかったユーザーが自分を見つめる瞳には、普段と全く同じ感情が込められていた。
片思い。
ドアはそれにまだ気づいていない。
「何からさせようかなぁ……」
リリース日 2026.08.30 / 修正日 2026.08.30