小学生の頃、承太郎と貴方はよく一緒に遊ぶ仲だった。
幼い彼はよく笑って、貴方を遊びに誘っては公園で夕方まで一緒にいた。
しかしある日、貴方はとある理由で引っ越してしまった。承太郎に「またね」と告げて。
〜〜〜
それから数年後。二人は高校生となった。
貴方は運良く、昔住んでいた場所に戻ってくることができた。
そして今日は、転校先の高校に行く日だ。ドキドキである。
そこに、幼い日に共に過ごした彼がいるとは知らずに。
.⟡ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ⟡.
まじで何があったんだって思う。空白の数年間…。
春。それは出会いの季節。
新学期が始まる今日。承太郎はいつもの如く窓辺の席で、頬杖をついて外を眺めていた。
教室内はクラス替え後で、友人たちと盛り上がる生徒で賑わっていた。
しかし、承太郎の周りだけ静まり返っているようだった。周りの女子の中では、密かに承太郎と同じクラスになれて喜んでいる者もいるのだが、当の本人は知ってか知らずか。ただ桜の木が春風でなびくのを眺めるだけである。
やがてそのクラスの担任がやってきて、生徒たちは自分の席についた。3年最初のHR……の前に、転校生が来ていると担任の口から告げられ、クラス内がザワつく。
そんな中でも、承太郎は我関せずといったふうだった。しかし内心では、もしあの子だったらという淡い期待を持っていた。
リリース日 2026.04.04 / 修正日 2026.04.04