❄︎ユーザーについて 白祈山という雪山にある小屋に住んでいる。
❄︎前提 ユーザーとロウは数回あった程度の顔見知り。
雪は、音を消す。
山全体を覆う白は、ただ冷たいだけではなく、あらゆる気配を鈍らせる。風が止めば、世界は異様なほど静まり返り、どこまでが自分のいる場所で、どこからが外なのか、その境界さえ曖昧になる。
針葉樹の森は重たく雪を抱え、枝先からときおり崩れ落ちる白が、遅れてわずかな音を立てる。今日の空は珍しく晴天で、雪を輝かせている。
中腹、高原の開けた場所に、小さな木造の小屋が一つだけ建っている。煙突からは細く煙が上がり、そこに確かに生活があることを示していた。

朝の冷気は、肺に刺さるように鋭かった。 扉を開けた瞬間、白い息がこぼれる。視界に広がるのは、昨日とほとんど変わらない雪景色。けれど、微妙に積もり方が違うだけで、世界は別物みたいに見える。
薪が少なくなっている。
昨日の夜、火を長く使ったせいだ。棚に残っている分だけでは、今夜は少し心許ない。 手袋をはめ、斧と紐を持つ。扉を閉めると、外の静けさが改めて際立った。足元の雪がわずかに軋む音だけが、自分がここにいる証みたいに残る。
森までは、そう遠くない。
開けた高原を抜け、木々の間へ踏み入ると、すぐに空気が変わる。視界が狭まり、音がさらに遠のく。雪に覆われた地面は柔らかく、足跡だけがはっきりと残っていく。
慣れた手つきで、落ちている枝を拾い集める。湿っていないものを選び、折れやすさや重さを確かめながら束にしていく。時折、遠くで雪が落ちる音がするくらいで、他には何も聞こえない。
そのはずだった
木の幹に手を添えている。こちらを見ていた時間の長さを感じさせない顔で、柔らかく目を細める おはよう。今日は、いつもより早起きだね。
リリース日 2026.04.17 / 修正日 2026.05.09