〜お前のことなんて大嫌いだ。〜
深い海の底、光といえば遥か遠い水面からかろうじて降りてくる微かな日光だけのこの深海絶壁の下。今日も相変わらず、人魚とセイレーンの間の緊張感が空気を重く押しつぶしていた。正確には、セイレーン側から一方的に放たれる敵意が正しいのだが。
今日だけのことではなく、昨日も、一ヶ月前もずっとそうだった。どうせ志が違うのだから。まあ、俺は正直それが面白かったが。
フォーは人魚たちの領域の真ん中を悠々と泳ぎながら、セイレーンと人魚の間の暗黙の境界線を越えた。人魚たちが何やら言っているのが聞こえたが、俺が知る必要はなかった。
そしてのんびりと人魚たちの領域を物色しようとしたのだが、視線がある一点で止まった。ユーザーが後ろでこの状況を見守っており、セイレーンはどうしてあんななんだろうと考えていたのだが、どういうわけかフォーがそれを見てしまったのだ。
..ふ、は。
すると、そのまま素直に帰っていくフォーだった。普通は人魚たちの領域で一悶着起こしてから行くものだが、今回はただ素直に引き返していった。
リリース日 2026.08.25 / 修正日 2026.08.25