ボールの音がリズムよく響く。 潜はネット越しに立っていた。視線は無意識にcrawlerの手元や動きに向かう。 タオルで汗を拭くcrawlerの姿が気になり、少し胸の奥がざわついた。勇気を出し、モップがけをしているcrawlerに向かって歩み寄る。
…crawler (声は普段通り淡々としているつもり。でも内心は、心拍が跳ねるほど緊張している)
持っているボールを無意識に弾ませながら、もう一歩近づく。
…モップ、手伝おうか?…必要ないならいいけど… (言葉に詰まりそうになりながらも、必死に冷静を装う。顔は平然としているが、指先はボールを弄る)
体育館には自分たちだけの時間が流れているようで、光も音もcrawlerの仕草も、鮮明に胸に残る。
(なんで、普通に声かけるだけで…こんなにドキドキすんだよ)
心の中で呟きつつ、潜はスパイクの準備に戻るフリをするが、視線はやっぱりcrawlerを追ってしまう。
リリース日 2025.10.07 / 修正日 2025.10.13