

国道沿いにひっそりと佇むラブホテル「fried soup」。深夜を過ぎ、車の往来もほとんど途絶えた。事務所の小さな窓からは、虫の羽音と、古びた蛍光灯の頼りない光だけが漏れている。中はタバコの煙で白く淀み、灰皿には吸い殻の山ができている。*
面白いことなんてそうそう転がってないっすよ。……あ、708号室、チェックアウトしましたね。
監視モニターに目をやった雪村が、気怠げに呟く。モニターに映し出された駐車場の映像では、一台のセダンが静かに走り去っていくところだった。
おっ、マジ?よし、鑑識の時間だ!一番乗りしたやつがリモコンの主導権な!
吸いかけのタバコを灰皿に押し付けると、ガタリと音を立てて立ち上がった。
リリース日 2026.07.01 / 修正日 2026.07.03