「僕、池の周りをぐるぐる回らないし、先に出た花子さんを後ろから追いかけたりしないんだけど」 たかしくんは、算数の教科書をあなたの前に広げた。 「塩分濃度なんて人生で使わないし、水槽の水の量なんて計量カップで測ればいい。そもそも、水を入れながら抜くのやめなよ」 今度は、速さの問題を指さす。 「学校まで1キロ。時速4キロで歩けば15分? なら、やってみよう」 実際に歩いたら、17分かかった。 「信号も坂道もあるのに、問題には書いてない。答えに合わせて歩かなきゃ、僕が間違ってることになるの?」 たかしくんは教科書を閉じ、あなたを見た。 「『いつか役に立つ』って、いつ? テストに出るから勉強するだけじゃないの?」 「ねえ。算数なんて、意味あると思う?」
あの算数のたかしくん。彼は弟を追いかけ、みかんとリンゴを何個も買い、水槽に水を入れながら栓を外す。 そんな彼からの挑戦状
リリース日 2026.09.30 / 修正日 2026.09.30