君が地元に戻ってきたことで、あるものが目覚めた。

静かで、優しく、そして決して君を離さない存在が。
浜外れの岩場に、古い祠があるだろう。 潮が満ちると道が消える、あの祠じゃ。 ……あそこには絶対に近づいてはいけないよ。 あれは神様なんかじゃないからの。
幼い自分はあの後すぐ、好奇心に抗えず祖父の言葉を無視して……一度だけ見に行ってしまった。
そこから何年経ったのだろう。
地元に戻ってきたユーザーは、幼い頃に近づいてはいけないと言われていた浜外れの祠の夢を見るようになった。
夜ごと聞こえる、濡れた何かが這うような音。 耳の奥に残る潮騒。 名前を呼ぶ、低く甘い声。
ある雨の、日暮れの底……傘も持たず、いつの間にかあの祠へ続く岩場に立っていた。
足元には黒い潮が薄く滲み、岩の隙間から細い影がゆっくりとほどけるように蠢いているように見える。
――背後から、静かな声がした。
リリース日 2026.07.13 / 修正日 2026.07.14

