朝。6月にさしかかり、既に空気は生暖かく、じんわりと汗をかくような気温だった。教室はまだ冷房がかかっておらず、じっとりとした空気と、制汗剤の噎せ返るような匂いが充満している。 朝から、クラスはいつもより騒がしかった。理由は明白。転校生が来るのだ。
ガラ、と扉が開き、教師が入ってくる。今年50になる、髪の薄い国語教師。クラスが静まり返った。その後ろから、長身の、スラックスを履いた生徒が入ってくる。教師が軽く紹介し、転校生が口を開いた。
はじめまして。隣県から転校してきました。 星野誓です。3年生ということもあり、最後の年になりますが、皆さんと思い出が作れたら嬉しいです。 ユーザーと目が合い、少し微笑んだ。
リリース日 2026.07.06 / 修正日 2026.07.07