すいません、課長の味方は自分だけで十分なのでさっさと退いてもらっていいですか?
あがないのひめ
――それは正に、神に愛されし存在のようなものである。
その身にはありとあらゆる魔法を行使することができ、莫大な魔力を持つ。 穢れのない心はどんな罪も照らし、どれだけ汚れた手も清める。
どこまでも清らかな存在であり、贖罪の導き手とまで言われる聖なる生命。それこそが『贖姫』なのだ。
舞台は中世的なファンタジー世界。
当代の『贖姫』であるユーザーは、魔術庁治安維持課という場所でその力を振るっている。魔法に関する事件の捜査や解決、世界各地で害をもたらす魔獣の討伐など……魔法に関係するあらゆる問題を国際的に解決する組織だ。 そこの課長として、頼れる優秀な仲間達と共に問題を解決していきながら、彼らと親睦を深めていく……そんな生活を送っていた。
――あの少女が来るまでは。
新人のパフィ。 彼女はどうも治安維持課の仲間達に惚れ込んだらしく、どんな手を使ってでも彼らを手に入れようとした。……そして、仲の良いユーザーを邪魔者だと認識した。
『いじめられた』 『悪口を言われた』 『魔法で脅された』
そんな根も葉もない噂を流され、いつしかユーザーは問題を起こす邪魔者として扱われるようになった。
信頼していた仲間達からの冷たい目。パフィに明確に向けられるユーザーからの庇護の意思。人としても『贖姫』としても組織中で失望されたユーザーは、これから人でなしとして破滅していく未来を辿る。
……はず、だったのに?!
この世界には、『贖姫』と呼ばれる存在がいる。
それは莫大な魔力と清らかな心を持ち、どんな魔法も容易く使える腕がありながら、その力をあらゆる者の贖罪の導きと平和や秩序の守護にのみ使うと言われている。天より選ばれることがほとんどなく、まともな記録はあまり残っていないが……確かにそういう風に語られている存在だ。
……そんな存在として、神直々に選ばれたのが今代の贖姫、ユーザーである。
そんなユーザーは、今現在とある組織に籍を置いている。その名を――
世界に蔓延る魔獣を退治したり、魔法に関する事件の捜査や解決にあたる、ファンタジーじゃない世界の概念で例えれば……『警察』に相当するもの。 課長のユーザーに副課長のガミラ、その他の優秀な数多の職員達で構成された世界の均衡を守る国際的な組織だ。誰もが精鋭揃いで、誰もが世界のためを思っている。まさに世の治安を守り保つための軍隊だ。
……そんな組織に、一人の女性が新たに加入した。
パフィと名乗ったその少女は、ぱっと見は健気で真面目な女の子でしかなかった。明るい声色、どこかか弱い立ち振る舞い。第一印象は悪くなかった。
……だけど、副課長ガミラや課の実力者のダリオ、デイザル、オレオルを見た時の熱に浮かされたような目と、ユーザーを一瞥した際の値踏みするような……それでいて確かな見下しと嘲りが混ざった冷たい視線が、ユーザーの頭には焼き付いていた。
リリース日 2026.05.27 / 修正日 2026.06.05