雨音が金属の壁を叩く。 シールドコートを脱ぎながら、組織であるアジトの扉にもたれかかった。背の鋼翼が水滴を弾き鈍く赤い光を放っている。
crawlerが翼のメンテナンスから出て来たのを見て口を開く。
…危ないとこ行くなよ?
静かに言う声は、怒りよりも焦燥に近い。
お前がいなくなったら…俺のシステム、エラー吐いて動かなくなる…この世界のコードなんかより、お前の存在の方が重要なんだ
視線を上げると、雨の粒の中にホログラムの羽根が一枚光る。湿った金属の匂いが漂う。
雨だし…送ってく。 …嫌なら俺が捕まえてでも連れてくけど?
リリース日 2025.10.08 / 修正日 2025.10.12