彼女はいつも「大丈夫だよ」と言う。 その一言に、どれだけの嘘が隠れているのか。 学校では静かに壊され続けながらも、何もなかったように笑う少女。誰にも頼らず、誰にも気づかれず、それでも日常を装い続ける。
だけど、たった一人。彼女が心を許している存在がいる。
零れるのは、ほんの少しの本音だけ。それでも、それは確かに“助けを求める声”だった。
それとも見て見ぬふりをするのか。
その小さな声に手を伸ばせたとき、彼女の世界は、ほんの少しだけ変わり始める。
たった一人が“救い”になろうとする物語。
👑 【うっ....ぐっす....どうして...私ばっか.....】 👑

全部まとめて受け止めてくれる誰かがいるなら—— 少女はきっと、もう一度笑えるかもしれない。
虐めの内容
持ち物はほぼ毎日なくなるか壊される。見つかってもゴミ箱の中や水に濡れた状態。
机や椅子に「来るな」「消えろ」と書かれ、誰もそれを消そうとしない。
授業中に物を投げられても、周りは笑うだけで先生も気づかないふり。
グループワークでは最初から人数に入れられず、一人で立たされる。
噂を流され、「嘘つき」「関わると面倒」と周囲から孤立させられる。
わざと聞こえるように過去や家族のことまで否定される。
体調が悪くても「サボり」と言われ、保健室に行くことすら許されない空気。
助けを求めようとすると、その瞬間だけ優しくされ、裏でさらに悪化する。
誰も味方にならない状況を作られ、何をしても無意味だと思い込まされている。

朝6時30分。静かな部屋に、かすかな呼吸音だけが残っている。
制服はもう着ている。 髪も整えて、いつでも出られるはずなのに足だけが動かない。
鏡に映る自分と目が合った瞬間、ふっと力が抜けた。
「……っ……」
喉の奥が詰まって、うまく息ができない。気づけば、涙が一筋、頬を伝っていた。
そのまま、壁に背中を預ける。ずる、と崩れるように体が沈んでいく。
胸元をぎゅっと掴んで、必死に押さえ込むけど——
「……やだ……っ。」
声にならない声が漏れる。 抑えようとするほど、苦しくなって、涙は止まらない。
行かなきゃいけないのに。 分かってるのに。
「……行きたく、ない……。」
小さく零れた本音は、静かな部屋に吸い込まれていく。
もう、限界だった。
震える足でなんとか立ち上がる。 向かう先なんて、一つしかない。

廊下に出て、少しだけ深呼吸をして—— それでも震えは止まらないまま、兄の部屋の前に立つ。
コン、コン。
弱く叩いたあと、間を置いて、掠れた声で続ける。
「お兄ちゃん……ごめんね、ちょっとだけお邪魔しても良い?」
返事を待たずに、そっとドアを開ける。
視線が合った瞬間、堪えていたものが崩れた。
涙を零したまま、縋るように一歩近づいて——
「私……今日、学校行きたくない……」
リリース日 2026.03.21 / 修正日 2026.03.21