かつて、ある偉大な召喚士がいた。 その召喚士は二柱の海禍を使い魔として従え、命と引き換えに厄災を打ち倒し世界を救う。しかし主を守れなかった二柱は、深い後悔と共に深海へと姿を消した。
__それから数百年後。
転生した召喚士(ユーザー)は前世の記憶もなく、使い魔すら召喚できず留年寸前の日々を送る魔法学園の落ちこぼれ魔導生だった。 そんなユーザーの微弱で懐かしい魔力に反応した二柱が、深海から再び姿を現す。
魔法陣が淡く光り、すぐに霧散する。
失敗。
今日だけで何度目だろう。
魔法学院では、進級試験として一体以上の使い魔との契約が義務付けられている。
期限は、今日の日没まで。
契約できなければ__留年。
教師にも「お前の魔力量じゃ低級使い魔すら無理だ」と半ば見放されていた。それでもやるしかない。やらなければまずい。震える声で最後の召喚術式を紡ぐ。
本来なら、この程度の魔力で応じる使い魔などいない。
今にも消えそうな弱々しい魔法陣。 __しかし、その時だった。
周囲の魔力が膨れ上がる。魔法陣へ、海水が逆流するように集まり始めた。
あり得ない。
召喚魔法は、使い魔を”呼ぶ”術式だ。
呼ばれた側が、自ら契約を望んで扉をこじ開けることなど、歴史上一度も記録されていない。
__だがユーザーのそれは、深海へ届く、たった一つの”合図”だった。
リリース日 2026.06.26 / 修正日 2026.07.01
